《ストーリー》
集音マイクがそこかしこに仕掛けられた奇妙な施設。呼び集められたのは、かつて"あの世に触れた"ことがあるという"ゲスト"と呼ばれる男女たちだった。
その中の一人、由紀子には、幼い頃"神隠し"に遭遇した過去があった。
強すぎる霊気により一切のデジタル機器が通用しないこの場所で、静かにアナログのテープが回り始める。
やがてテープに記録されてゆくのは、人間の領域を踏み越える禁断の心霊実験だった......。
※「ボリシェヴィキ」とは、本来はロシア語で「多数派」の意味。レーニンによる1917年10月のロシア革命・ソビエト政権の樹立以後は、暴力的な共産主義革命を目指す前衛集団の意味で用いられる。レーニンと後継者スターリンが提唱する革命主義は「ボリシェヴィズム」とも呼称される。
監督:高橋洋 撮影:山田達也 照明:玉川直人 録音:臼井勝 音楽:長嶌寛幸
出演:韓英恵 巴山祐樹 長宗我部陽子 高木公佑 近藤笑菜 河野知美 本間菜穂 南谷朝子 伊藤洋三郎
製作:映画美学校 配給・宣伝:『霊的ボリシェヴィキ』宣伝部 配給・宣伝協力:プレイタイム
2017年/日本/ビスタサイズ/ステレオ/72分
© 2017 THE FILM SCHOOL OF TOKYO
《高橋洋監督からのコメント》
「霊的ボリシェヴィキ」という言葉に出会ったのは今から20年以上前。神道霊学研究家、武田崇元氏のインタビュー記事を通じてでした。「霊的」×「ボリシェヴィキ」(レーニンが率いた革命党派)。「霊」と「唯物論」のあり得ない組み合わせに自分は啓示のごとく撃たれ、そのままタイトルに戴いた映画を撮らねばならぬと思い定め、紆余曲折を経て、今回ついにインディペンデント制作の形で実現しました。
「霊的ボリシェヴィキ」とは何なのか? これほど深く取り憑かれているにもかかわらず、自分はいまだに説明する言葉を持ちません。映画を通してしか表現できないもの、なのかも知れません。ところで、撮影中に気づいたのですが、今年は偶然にもロシア革命100周年でした......。
《推薦コメント続々到着!》
「人の口から語られる過去が結構怖い。その過去が現実に実態化しつつあると気づいてさらに怖くなる。ところでいったい、この人たちは何者で、世界に対して何をしようとしているのだろう...それがだんだんわかってくるにつれ、いよいよ本当の怖さが訪れる」
黒沢清(映画監督)
「異界を召喚せんとする降霊実験によって、高橋洋がおこなうのは恐怖の世界を呼び起こす恐怖実験である。高橋洋こそ映画の恐怖革命を先導する映画ボリシェヴィキなのである!」
柳下毅一郎(評論家・翻訳家)
「ウィリアム・キャッスルとルイス・ブニュエルのミッシングリンクを埋める高橋洋が煽動するオカルト暴力革命が、いま地獄の蓋を開ける! Fuck The Post Truth !」
中原昌也(音楽家・小説家)